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  • 2016.10.21 建物明渡等請求訴訟

    中野区にあるレトロな、古びたアパートを管理している。

    そもそも、この物件は弊社の顧問税理士の妹様がお勤めの会社のオーナー
    様がご所有の物件。

    ある日、その弊社顧問の税理士先生から連絡を頂き、「妹が相談に乗って
    欲しいと言っている」との事だった。早速、妹様に連絡してみると、その
    和田ハイツに入居中の賃借人に関する相談だった。

    内容はズバリ!!、長期家賃滞納!!

    何と、75,000円の家賃を15か月も滞納しているとのこと!!
    1,120,000円の滞納だ!

    ここらあたりのレベルになると、賃借人は、全く支払意思なし。

    そこで、オーナーは、簡易裁判所あて、支払命令の申し立てを行ったのであ
    る。しかし、この支払命令は今一つ、威力が無い。っというよりは、建物賃
    貸借契約に対しては、「あなたは、支払い義務があるから支払しなさい、支
    払い義務と債務を確定させましたよ~!!」みたいな、至ってフランクなイ
    メージであり、賃借人の魂を揺さぶる程の威力は無い。

    しかし、オーナーの素直な気持ちであることは間違いではない。

    3ヶ月以上の滞納があると、オーナーと賃借人との信頼関係破壊があったと
    みなされる場合がほとんどのようだ。

    法律の条文を並べるつもりは無いが、3ヶ月以上の滞納が有った場合、オー
    ナーが物件を明渡して欲しければ、「いついつまでに滞納家賃を支払って下
    さいよ~、支払いが無ければ契約解除しますよ~」みたいな“催告”を内容
    証明郵便で行う。

    そして、催告書記載の支払い期日が経過した時点で契約は解除されたことと
    なる。

    さ~っ、ここからが本番。先ほどの支払命令には、明渡しの効力は無い。
    仮執行宣言付支払命令が確定したとしても、債務(滞納家賃)を法的に確定
    させただけであって、せいぜい出来ることは、動産や債券に対する強制執行。
    強制執行が出来たとしても、家賃を長期滞納している賃借人の財産はたかが
    しれているし、給与を差押えしても1/4しか差押え出来ず、会社をクビになっ
    て回収できないということもしばしば。

    いずれにしても明渡しを法的に行うことは出来ないのだ。

    法的に明渡してもらう第一歩は、建物明渡等請求訴訟を提起することから
    始まる。

    私は、以前ノンバンクに勤めていたので、何度も訴訟経験がある。

    通常は、弁護士に依頼しなければ、個人で裁判所の申立窓口や民事相談コ
    ーナーで専門用語を並べたてられ“ちんぷんかんぷん”になることもあるが、
    百戦錬磨(?)の私はそこそこに対応できる。

    多分、不動産屋さんで、訴状まで作れる人はそうそういないのでは。

    しかし、不動産管理会社たる者、その程度の知識は持っておかなければ、
    大事なオーナー様の資産を護っていけないのではないか!!っと思う。

    通常、弁護士に明渡しの訴訟から、引渡し等執行申立、断行まで行うと、
    どれくらいの費用がかかるであろうか。かなりの費用がかかると思われる。

    断っておくが、私が出来るのは、訴訟書類の作成であって、オーナー様の
    代理人になることは出来ない。

    代理人になれるのは、弁護士のみである。弁護士の資格を有さない者が、
    報酬を得る目的で代理人になると、“非弁行為”として、“御用”となる。

    しかし、訴訟書類の作成提出は知識があれば誰にでもできる。その後、口頭
    弁論の期日に、オーナー様が原告として出廷していただければ、それで裁判
    が進んで行くし、訴状の内容に誤りが無く、被告(賃借人)から答弁書が出
    ず、被告が出廷もしなければ、判決が出ることになる。

    貸主と借主の争いに特別な事情が無ければ、オーナー様はたった一回の出廷
    で済み、後に判決が下り、以後の手続き書類作成の代行は、知識ある不動産
    管理業者が行っても問題は無い。

    ただし、諄いようだが、訴訟費用以外の訴訟に関する全てにおいて、報酬等
    をオーナー様に請求することは出来ない!! 

    あくまで、管理会社の責務?として行うことである。

    以下、一般的な流れは以下のように進む。

    1.催告(内容証明書)
    2.賃借人が催告に従わなかった場合は、建物明渡等請求訴訟を提起
    3.裁判所より口頭弁論期日呼出(申立書受理より約1ヶ月後)
     被告が口頭弁論呼出状を受け取らないこともある。この場合、住居所調査
     報告書と付郵便送達上申書の提出を要する(更に時間を要する)
    4.第1回口頭弁論
    5.判決(約1ヶ月以内)
    6.送達証明申請(被告に判決文が送達したことを証明する申請:約1ヶ月)
    7.執行分付与申請・確定判決証明(約1ヶ月以内)
    8.上記が全て完了して、執行力を有する判決文(債務名義とも言う)となる。

    建物明渡等請求訴訟提起から判決確定まで約4ヶ月を要した。

    さぁ~、債務者(裁判における被告)は判決に従わず、退去しようとしない。

    ここから、引渡し等執行申立(明渡強制執行申立書)を行う。

    9.引渡し等執行申立
    10.執行官面談
    11.執行補助業者を含め、執行官と明け渡し催告の日付打ち合わせ
    12.物件を訪問し、被告に対し執行官による期日指定の明け渡しの催告
    13.明渡しに従わなかった場合、強制執行断行(動産目録作成)
    14.執行した動産の保管(保管料:債権者の負担)
    15.明け渡しの断行期日から1週間未満の日を売却期日と指定して、債務者が
      期日までに動産を引き取らなかった場合、売却。ほとんどの場合、債権者
      が買受、そこで動産の所有権が債権者に移り、自由に処分することがえきる。

    引渡し等執行申立から2ヶ月

    事件終了まで、スムーズに行って6か月はかかる。

    ここまで、流れを話してきたが、これは実際に私が行った経験談である。

    執行官による催告に立ち会ったが、現地室内はそれは凄い状況であった。家族
    6人、足の踏み場も無いほど散らかり、汚れた布団は万年床。収集癖があり、
    室内は無数の物で溢れかえっていた。執行補助業者も立ち会い、室内の物を搬
    出するために、どれくらいの人員と費用がかかるかを目算するのだ。

    それでは、事件終了まで幾らの費用がかかったか。

    建物明渡等請求訴訟
    貼用印紙類:3,000円(訴額による)
    予納郵便切手:5,600円

    引渡し等執行申立
    予納金:65,000 円

    あれ、その程度!?と思われるのではないだろうか。いやいや、ここからである。

    執行補助費用(搬出業者費用):510,000円(4t車×2台)
    保管費用:85,000円
    動産買受費用:10,000円
    動産処分費用:120,000円

    なんと、725,000円もかかった計算となる。

    もし、これを弁護士に依頼したら、おそらく500,000円は下らない費用が
    加算されるのではなかろうか。

    これに、6ヶ月間の家賃ロス450,000円

    滞納家賃1,120,000円、合計で、2,795,600円の損害が発生
    することとなる。

    これに、明渡後のリフォーム代を加算すると、“泣きっ面に蜂”!!

    確定した判決文(債務名義)の時効は10年であるが、滞納家賃が分割でも支払わ
    れる可能性は極めて低い。

    そのような損害が、オーナーに降りかからないよう最大限の努力をするのが我々
    管理会社の使命なのだ!!

    そのような不良賃借人に対し、最小限の負担で、円満退去してもらう方法はある。

    法的対処は最終手段である。

    結局、この物件は、訴訟経験の豊富な私に管理が託されることとなった。

    家賃滞納に頭を悩ませているオーナー様がいらしたら、迷わず相談してほしい。

    相談は・・・無料である( ^ω^)

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