-
2016.11.18
漏水事故
2016年10月24日、弊社管理物件一棟賃貸マンションの賃借人様より、1階共用部PS
あたりから、水が漏れているとの連絡を受けた。
慌てて物件に行ってみると、1階共用部分に設けられた電気系統PS上部より、ポタ
ポタと水が滴り落ちてくる。
携帯電話のフラッシュライトでPSの中を照らすと、電気系統と一緒に設置された排水
縦管を伝って水が落ち、共用部玄関前フロアのタイルカーペットに大きなシミを作っ
ていた。
2階・3階も同様にPS内がビショビショ!! 4階に駆け上がりPSを開く。
しかし、4階のPSに異常は見られない。
3階のPS排水縦管からは、ポタリポタリと水が落ちてくる。
しかし、水は臭くない。排水管内の漏水であれば臭いがあるが、全く異臭は無い。
つまり、給水または給湯管からの漏水の可能性が高くなる。
4階の共用部とPSには異常が無いとなると、部屋内での漏水の可能性を考えなければ
ならない。
建物内の部屋内の間取りは頭に入っている。
3階PS内排水縦管の上部あたりにあるのは、4階の部屋の冷蔵庫置場あたりだ。
その並びにキッチンがあり、キッチンの壁の外にベランダ。そのベランダにキッチン
と並ぶように給湯器が設置されている。過去の苦い経験が頭を過った。数年前、同物件の5階の賃借人からゴールデンウィーク
中に連絡が入り、“洋室のカーペットがビショビショに濡れている”との連絡だった。
その部屋のベランダにも給湯器があった。
ゴールデンウィーク中であった為、水道設備業者も連絡がつかづ、賃借人には、水を
使用しない時間は、PS内の給水バルブを閉めていただくようお願いし、ゴールデンウ
ィーク明けに対応を行うこととなった。
ゴールデンウィークが明けた日に部屋内の家具をいくつも移動させ、カーペットをは
ぐり、給水バルブを開けたところ、床コンクリートの小さな亀裂から水がチョロチョ
ロと湧いてきた。その時初めてこの建物の給水・給湯・ガス管が、コロガシ(スラブ
の上に配管し、その上からさらにコンクリートを流し込み、二重の床を造る工法)で
あることが判った。
取引のあるガス給湯器を扱うおっちゃんが、以前、水道設備業者に長く勤めていた経
験があり、工事が出来るとのことであったためお願いをしたところ、これが大変なこ
とになった。移動した家具に全く養生をせず、いきなり削岩機を床のコンクリートに
叩き込んだのである。激しい音と振動を立て、掘削していく。30分程で亀裂の入った
給湯管が現れたが、部屋の中のありとあらゆる物に粉塵の雪を積もらせた。
給湯管エルボの亀裂は電蝕によることが多いと聞いている。エルボを切断し、新たな
エルボを溶接、穴の開いた床にモルタルを流し込み、工事は終了したが、後の原状回
復工事と清掃は大変なもので、完全復旧まで、10日位かかった。
話しを元に戻そう。
今回の漏水の発生源と思われる4階の賃借人様に連絡し、部屋内を見せていただくこと
となり、10/29の土曜日に訪問。部屋内は全く異常が無い。
最近取引をした水道設備業者(株式会社ユアーズ:墨田区本所)の花ちゃんも立ち会い、
冷蔵庫を移動させ、可能性のある場所のクッションフロアを部分的に剥いでみた。
現れた床コンクリートに手を当ててみるとやはり湿り気を感じる。
4階の賃借人様はご夫婦と小さな可愛いお嬢ちゃんの3人暮らし。優しいご夫婦に事情
を説明すると協力的であったが、平穏に過ごされていらっしゃる所にこのような事態と
なり、かなり心苦しさを感じた。一刻も早く解決せねば!!クッションフロアを剥がしてみたところ赤いマジックのようなもので配管の線が引かれ
たいた。
花ちゃんが掘削時に粉塵が飛散しないようにマスカー(養生マスカー)で、作業スペ
ースを囲み、削岩機で掘削を始めた。
赤い線に沿って用心しながら少しづつコンクリートを削いでいく。しかし、なかなか
配管らしきものが出てこない。
やっと出てきたものは、ガス管と追い焚き管。
ここで、夕方の音の出せる時間はタイムアップとなった。
赤い線の通りに各配管が埋設されていない。困った。。。
いずれにしても、今日の工事ではまだ給水・給湯・排水の管に影響はないので、工事
個所を養生し、次の工事日を調整させていただくことで撤収した。
その日の19時頃、花ちゃんから電話があり、“有田さん、斫屋さん、どちらかご存じ
ないですか・・・”とのこと。
花ちゃんとしては、土木のプロでは無いため、いたずらに削岩機を叩き込み、他の管
に損害を与えたくなかったのだ。
斫(ハツリ)を専門とする業者に心当たりが無いわけではないが、結局、下請け・孫
請けとルートが遠くなる。はたして、どうすべきか・・・。10/31(月曜日)の朝、漏水の水を受けているバケツの水を捨てに行くため、物件に
向う。
物件の2軒隣にある倉庫が以前から気になっていた。
どこからどう見ても設備関係と思われる資材がたくさん入った倉庫で、いつもシャッ
ターが開いていて中の電灯が灯っている。
その日も、その倉庫の前を過ぎようとした瞬間、前に止まっていた2t車の荷台に、
なんと!! 削岩機が乗っかっているではないか!!
頭の中で、ファンファーレが鳴り響いた!!
シャッターは開いており、人の気配もある。すかさず飛び込み、
(すいません、2軒隣のマンションを管理している者なのですが、こちらは設備関係の
お仕事をなさっている会社さんですか)っと僕。
二人の男性が、仕事の下準備中であったが、僕の話に付き合ってくれた。
何とこの二人の男性こそ!! その道のプロ!! であった!!
バンザーイ!!
株式会社 山河:代表取締役 鴨川和佳 氏と 課長 飯酒盃正義 氏、 鴨川さんは、
以前大手ゼネコンに在籍し、見た目からも仕事大好き人間のようで、工事や設備に関し
てかなり詳しい。
また飯酒盃さんは、屈強な体躯がもろに名前に出ているような人で、その名前だけで説
明はいらないような人。
あ~~っ、これで工事が進められる\(*T▽T*)/ワーイ♪
工事日の相談をし、花ちゃんと賃借人様の調整を行い、決戦は11/08と決定した!!当日の朝が来た!! 現地に09:00集合!! と言っても、鴨川社長の倉庫は2軒隣
りだし、僕の住むマンションは目の前。賃借人様の許可をいただき、留守宅にお邪魔し、3人で準備を始めた。
マスカーとは違う養生シートを張り巡らし、徹底した粉塵対応を鴨川社長と 飯酒盃
課長が進めていく。
もーっ見ただけでプロ!! プロ中のプロ!! 手際の良さと、徹底した気配りに、
僕はウーッ、ウーッ、唸りっぱなし(ノ゚ο゚)ノ オオオオォォォォォォ-
いよいよ、飯酒盃課長が仕掛かりの床に削岩機を叩き込む!
ガッガッガッ・・・・
その腕前は、名前のように大飯食らいの大酒飲みの荒くれ職人が、感(K)と気合(K)
と根性(K)、3Kで掘り進むような腕前。
多少の管の傷は気にしない。。。
掘り進んでいくと、驚くことに全く赤マジックとおりの配管がなされておらず、ガス
管の下に給湯管、その下に給水管と縦に配管されている。
その下がスラブとなっており、手の入れ場もないくらい狭い。
午前中で、全ての管が露出され、漏水による水も確認された。
午後一で花ちゃん到着。ここからは花ちゃんの出番である。
苦戦しながらも作業を進める花ちゃん、給水管エルボを交換し、溶接終了!!
いよいよ、給水バルブを開ける時が来た!!
ハイ、開けてーー!! と花ちゃん!!
すると、屈んだ花ちゃんが、ペンライトを同僚に要求。
ウォーッ!! と花ちゃんが叫んだ!! |||||/( ̄ロ ̄;)\||||||| まじ~~?
何と、繋いだ先の銅管の被覆の間から・・・水が染みだした。( ̄Д ̄;) ガーン
何と、事件現場は・・・そこでは・・・無かった・・・のだ(T△T)
休憩中の鴨川社長を呼出し、確認してもらったが、原因はキッチン下の可能性が高く
なった。
可能性としては、水栓立ち上がりチーズ部分か、給湯器から屋内に引き込まれた給湯
管エルボ。
いずれにしても、夕刻となったため、今日の作業は、タイムアップ。
翌日、キッチンを取り外し、再度確認を行うこととなった。
かなりショック、、、申し訳なく思いながら賃借人様に連絡し、その日は、水が使え
ないことを説明、直ぐ近くにあるホテルに宿泊していただくようお願いした。翌朝は、08:30に現場へ行き、まずダンボール箱に、キッチンの中に入った食器類を
詰め移動し、鴨川社長の知り合いのガス屋さん(玉川設備:山岸さん)から、ガスを
止めていただき、その後、キッチン給水・給湯のフレキシブル接続部分のナットを外
し、キッチンを移動。
その後、例の養生作業を行い、キッチン下にあったクッションフロアを剥がしてみた。
案の定、給湯器下の部分から、キッチン水栓立ち上り部分まで、水の滲んだ跡が現れた。ウワーッ、これ、斫るの・・・???
いずれにしても、可能性のある部分から調べるしかない。
鴨川社長と相談し、まずは給湯器下を削岩機で斫る。今回は、飯酒盃課長が午前中違う
現場に行っていたため、鴨川社長直々に削岩機を振るってもらった。
凄い腕前である。飯酒盃課長も凄かったが、鴨川社長はもっと凄い!!
飯酒盃課長ほどの体躯では無いが、とにかく・・早い!!
感(K)と気合(K)と根性(K)と、スピード!!(S) 恐れを知らない突進力!!
アッと言う間に、給湯器下のエルボが現れた。
漏水はしていないようだが、給水管あたりからジワリと水が湧き出てくる。
回っていた水かもしれないと思い、いよいよ可能性大のキッチン下、立ち上がりチーズ
部分を掘り起こす。
鴨川社長は、汗ビッショリになりながら、コンクリートと格闘。少しづつ配管が現れ、
コンクリートの破片もビショビショに濡れはじめた。
間違いない、ここのようだ。
アッと言う間に、全ての管が露出し、花ちゃん登場!!
給水バルブを開けると、給湯管チーズジョイント部分から、音を立てて漏水。
ココが原因だったのか・・・
花ちゃんは、苦戦しながらも、二本の給湯管(給湯管・追い炊き管)をブリッジに繋
ぎ、作業を終了した。まるで、バイパス手術のようだ。
念のため、水圧をかけた状態で、一日置くことを鴨川社長から提案され、それに従い、
明日の状況を確認し、問題無ければ、明日の午後一には完全復旧の予定・・だった。
賃借人様に、再度連絡し、その日もホテルを利用していただくこととなった。11/10(木)、今日で、解放されるーーーと思いながら、早朝の現場へ!!
鴨川社長の第一声、
“漏水してるーーーー”
なんでやねん ”く(“”0″”)>” 参った、、、
何と今度は、昨日まで可能性の薄かった、給湯器下のエルボからの漏水を確認。さす
がに今日は花ちゃんにも連絡がつかない。
すると、鴨川社長が、例のガス屋さんの山岸さんに連絡。何と彼は、給排水の工事も
出来るとのこと。助かったーーー!!
早速、山岸さんが工事しやすいように、鴨川社長が削岩機で給湯管を露出させた。
山岸さんが、お昼頃到着。
給湯管を切断し、何度も溶接を試みるが、失敗が続く。
理由は、新たな給湯管エルボを溶接しようとすると、上部の管から水がしたたり落ち、
溶接を妨げていたのだ。
山岸さん、いよいよ最終手段!! ベランダの給湯器から延びる給湯管のジョイント
部分を外し、壁に張り付いた給湯管の中を掃除機で吸い、給湯管内を乾燥させる荒業
を使った。
作戦成功!! 溶接もバッチリと付き、給水バルブを開けても問題無く、点検口を作り
15:00頃に漏水工事は終了した。
それから、18:00頃までかかり、今度は、現場復旧作業。
3ヶ所の穴に速乾性モルタルを流し込み、キッチン下に、長尺シートを敷き、キッチン
を元の位置に戻し、ガスを接続し、給水・給湯のフレキシブル接続部分を繋ぎ合わせ、
キッチン周りをコーキング!! 清掃をして、作業が終了した( ̄。 ̄)ボ~~~~ッ
11/17(木)、最後の仕上げの原状回復工事。
工事内容は、工事で傷ついた壁の修復ととクロス借り替え、それと、キッチンのクッ
ションフロアの貼り替えである。
弊社の管理物件で、主にリフォームを依頼している上野さんに登場いただいた。
小さい体の上野さんであるが、やっつけ仕事は絶対にしない。
僕の信頼できるパートナーの一人である。
今日は、ベトナムから修行に来ているミーちゃんと一緒に工事に来ていただいた。
ミーちゃんは、なかなか筋が良く、テキパキと仕事をこなしていく。
師匠がいいと、飲み込みも早い!!
夕方16:00に原状回復工事が終了、すべての戦いが、、、終わった(; ̄ー ̄川 アセアセ今回の漏水工事にて、多くの方にお世話になり、また、良いご縁が出来ました。
キャストを紹介いたします!!
水回りの総合商社 株式会社ユアーズ
〒130-0004 東京都墨田区本所1-14-8
TEL 03-3624-6071 FAX 03-3624-6207
キャスト:花岡 純 様(花ちゃん)
http://www.yours-aqua.comオフィスリニューアル・建物修繕・店舗改修・リノベーション 株式会社 山河
〒103-0014 東京都中央区日本橋蛎殻町1-35-2
FAX 03-5643-1730
キャスト:代表取締役 鴨川 和佳 様
課長 飯酒盃 正義 様
http://sanga2015.com玉川設備 山岸様
株式会社ユナイテッドファシリティーズ
〒132-0061東京都江戸川区松島1-18-12 ミックビル1階
〒245-0064神奈川県横浜市戸塚区影取町1-30
TEL 045-512-5218 FAX0 45-330-7618
キャスト:代表取締役 上野 厚 様
修行職人 ベトナムのミーちゃん
http://united-facilities.co.jp多少の物件を、管理させていただいている。
物件管理には、色々なドラマがある。
単純に、家賃を回収するだけでなく、色々なトラブルに対応しまければならない。
事故・修繕・募集・管理、でも最近つくづく感じることがある。
それは、入居者様とのコミュニケーションの大切さ。
これがおろそかだと、何事もスムーズに進まない。
この点は、もっと勉強と努力をしなければならない。
これが出来て初めて、オーナー様の資産防衛が可能となる。
それと、素早く対応してくれるパートナーが鍵となる。
そのパートナーと仕事がうまくいくと、長い付き合いになる。
入居者との出会いでけでなく、仕事を通してであったパートナーとの絆も大切に
したい。パートナーキャストの皆様、本当にお世話にりました。
そして、今回の工事でご協力いただきました某賃借人様、大変ご迷惑をおかけい
たしましたが、今後もより良い環境つくりに努力いたしますので、今後ともよろ
しくお願い申し上げます。株式会社 不動トレード
〒103-0015 東京都中央区日本橋箱崎町32-3-902
TEL 03-5649-8063 FAX 03-5623-9872
制作:代表取締役 有田 賢也
https://japan2103.com/