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  • 2016.09.12

    ワンルームマンション“投資失敗相談急増中”

    あなたの買った“投資用マンション”!! お荷物になっていませんか。
    ワンルームマンション“投資失敗相談急増中”

    “投資失敗の理由”
     
    知り合いからの相談で、ある女性(Aさん)を紹介いただきました。
    Aさんは、投資用新築ワンルームマンションのディベロッパーの営業を受け、投資用新築ワンルームマンションを
    平成19年に3戸も購入されました。しかも、・・・ご主人に内緒で・・・

    もともと気弱なAさんは、そのマンションの販売営業担当の巧みな話術に押し切られ、署名捺印に持ち込まれ、
    3戸も買ってしまったのです。

    販売営業担当からは、
     将来の私的年金の為にいかがですか。
     頭金は0円、または10万円程度で大丈夫です。
     フルローン25年~35年、
    ・・・築30年以上経った物件から、収益(家賃)はいくら発生するのでしょうか・・・?

    節税対策によりお金が帰ってきます。
     (節税対策になるのは、一瞬です。)

    滞家賃納の心配のない家賃保証を当社で行います。
     (サブリース契約になり、通常家賃より安い賃料設定となり、差額が家賃保証をしている会社に抜かれます。)

    賃貸管理も当社で行います。
     (ここでまた、管理費名目で、お金を抜かれます。)

    Aさんは決して、軽い気持ちで購入されたわけではありません。
    将来、私的年金として、または、子供たちに残す財産になればとの思いもあられたようです。

    しかし、月日が経つにつれて、不安が膨らんできたのです。
    色々なマンション販売業者から自宅に電話がかかってくるようになり、色々なマンション販売業者から、郵便物が
    届くようになったのです。

    ご主人にいつばれてしまうのか、気が気ではありません。
    もし、思うように収益が上がっていれば、ご主人に内緒にしていても問題が大きくなることはございません。

    私は、Aさんと一緒に収支計算をしてみました。

    2016年3月現在
    スカイコート蒲田第7 〇07号室
    (購入金額:21,100,000円・償還期間26年)

    年間家賃収入   979,200
    年間返済金額 ▲1,064,844
    年間管理費    ▲72,000
    年間修繕積立金  ▲15,660
    年間固定資産税  ▲54,500
    年間管理費    ▲38,800(不動産業者に支払う管理費)
    年間収支    ▲266,604(月間 22,217円の赤字)
    つまり、9年保有されましたので、▲2,399,436の赤字です。

    他の物件の状況は、以下の通りです。

    2016年3月現在
    サンスタレ西浅草 〇03号室
    (購入金額:25,800,000円・償還期間25年)

    年間家賃収入  1,104,200円
    年間返済金額 ▲1,242,648円
    年間管理費    ▲63,600円
    年間修繕積立金  ▲12,240円
    年間固定資産税  ▲54,400円
    年間管理費    ▲38,800円(不動産業者に支払う管理費)
    年間収支    ▲307,488(月間 25,624円の赤字)
    つまり、8年保有されましたので、▲2,459,904の赤字です。

    2016年3月現在
    ジェノヴィア両国 〇01号室
    (購入金額:24,000,000円・償還期間26年)

    年間家賃収入  1,044,000
    年間返済金額 ▲1,154,736
    年間管理費   ▲103,200
    年間修繕積立金  ▲78,720
    年間固定資産税  ▲52,000
    年間管理費    ▲38,800(不動産業者に支払う管理費)
    年間収支    ▲383,456(月間 31,955円の赤字)
    つまり、8年保有されましたので、▲3,067,648の赤字です。

    約8年間、3物件を保有しただけで、▲7,926,988円の大赤字だったのです。

    ワンルームマンション投資だけではなく不動産投資は長期の投資、キャッシュフローを効かせてローンの繰上げ返済
    しながら資産を増やすというプランが理想的です。

    しかし投資としての損益が確定するのは、物件を売却したときだという視点は必ず持っていなければなりません。
    では、どのように損益を判断すべきか見ていきます。

    “ワンルームマンション投資の利回りとは!?”

    たとえば、1,500万円の中古ワンルームをネット利回り5%で5年運用すると375万円の利益が出たことになります。

    不動産投資における利回りは物件の購入価格を年間家賃収入で割って算出しますので、購入したマンションの資産
    価値が維持される、つまり購入金額と同じ1,500万円で売却し元金を回収できて始めて年間5%の利益375万円があった
    ことを意味します。

    “投資向け中古ワンルームマンションは購入した価格で売却できるか”

    中古ワンルームマンションの場合は、実需目的で購入されることはまれで、購入する方も売却する方も、ほぼ100%
    利益を得ることを目的とした不動産投資家です。マーケット事情は意外と見落とされがちですがとても重要なことです。

    たとえば、5年前に現オーナーが1,500万円で購入して5年間で375万円の運用益を上げた中古ワンルームマンションを、
    あなたなら同じ1,500万円で購入しようと思うでしょうか? 思いませんよね。。。

    実際のところ、中古ワンルームのマーケットでは、投資家の不動産を見る眼は厳しいので、経年劣化による家賃相場や
    資産価値の下落率は必要以上に評価され、購入した金額で売却できるケースは稀です。

    中古ワンルームマンションの流動性が極めて低いのは、オーナーが手放してもよいと思う金額(希望売却価格)で折り
    合わないことが多いからなのです。

    単純計算で資産の下落率が1.5%程度で見積もったとしても、売却可能価格は1,388万円、つまりその時点で112万円の
    売却損が発生します。

    1,388万円で売却したとしたら、利回りはどうなるでしょう。375万円の運用益から、112万円の売却損を引くと利益は
    263万円、結果的に年間あたりの投資利回りは3.6%に修正されることなります。

    “購入した価格で売却できる中古ワンルームマンションは存在しない”

    売却時にある程度の売却損がでてしまう現実を覆い隠すように、ワンルーム投資の世界では、「持ち続けるということ」
    が合言葉になっています。たとえばネット利回り5%で回っているのであれば、20年で元本を回収し、それ以降が安定収入
    になるというプランが提案されることもあります。

    購入金額1,500万円はネット利回り5%(=75万円)x20年で元金である1,500万円を回収できるというプランです。

    “投資である以上収支は出口。長期保有し続けることを前提にするのは危険”

    ワンルームマンション投資の場合、築年数別に分散投資することが多いですが、上記の例としてシミュレーションした
    1,500万前後の価格帯の比較的新しい中古ワンルームでも、築年数で言えば購入時で10年前後は経っています。ローンの
    返済が完了し、無借金になって、これから安定収入が得られると思っても、そのときそのワンルームマンションは築30~
    40年のものになります。

    30~40年間所有し続けることができれば元金を回収できることもあります。しかし、実際に売らなければならない状況に
    なって、売るに売れずに失敗したと思って相談に見える方が多いのも事実です。売却にまつわる相談は最も多い相談です。

    “新築ワンルームマンションの相場”

    現在、首都圏では新築ワンルームマンションは20m²超で2,500万円前後が売買相場です。2,500万円の首都圏の新築ワン
    ルームマンションが高いと感じるか安いと感じるかは個人差があると思いますが、同エリアでの中古のマンション市場では、
    2,500万円というと築10年くらいであれば40m² 2DK 程度のマンションを購入することができる金額です。

    新築マンションも登記されてしまえば市場での評価は中古の扱いとなってしまうことを忘れてはなりません。ワンルーム
    マンションの場合は、たとえ築2,3年であっても分譲価格2,500万円のマンションが2,000万円弱で取引されているのが実情
    です。これは新築ワンルームマンションが不動産マーケットに流通した瞬間に分譲時の70%程度の評価しかされないことを
    あらわしています。

    “新築ワンルームマンションの価格は誰が決めるのか”

    新築ワンルームマンションの価格は基本的には土地代、工事費、諸経費に基づいて価格が算出されますが、それとは別に
    、その新築で建てられたワンルームマンションの一室に特定の金融機関がどれだけ融資できるかというその金額がそのまま
    価格に反映されているように思えます。新築ワンルームマンションのデベロッパ系のマンション投資会社は「頭金0円フル
    ローンでワンルームマンション投資ができます」というセールストークを繰り広げることができるのもそのためです。

    一方、中古マンションは、近隣の同じタイプのマンションの取引相場と比較、もしくは、利回り(収益)、すなわちどれだけ
    の家賃収入が得られるかによって価格が決定されます。つまり、実需目的でも投資目的でも、マンションは中古として市場に
    出回った時点で相場、すなわち市場価格で評価されるのです。

    “投資対象としての新築ワンルームマンションのメリット・デメリット”

    新築ワンルームマンションは確かに頭金は0円に近い金額で、悪くても月に1万円程度の持ち出しで投資をすることができます。

    また、新築というだけで魅力的なものであるのも間違いありません。

    しかし、ご自分の居住スペースとして使用するのでなければ固執する要素ではないのではないでしょうか。マンション投資に
    限って言えば、新築というプレミアム価値は一番初めの入居者だけが享受できるものでしかなく、そのときは相場より高い賃料
    を計算できますが、それ以降は中古の家賃相場に合わせないと入居者を確保することは容易ではありません。賃料を下げずに
    募集することもできますが、入居者が決まらなければ確実に利回りは低下してしまいます。

    マンション投資は長期的な投資です。たとえ新築ワンルームマンションに投資をしても、ローンが払い終わる30年後に残るのは
    築30年の中古ワンルームマンションであることを忘れてはなりません。

    長期であるが故のリスク、たとえば、所有している部屋の近くに同じタイプのマンションが建つだけでも家賃が下落するのは
    免れません。ワンルームマンションはファミリータイプと比べると供給数が多くなりますので、それだけでも競争が激しいもの
    です。ちょっと広めの中古マンションで幅広い入居者をカバーできるほうが結果として利回りは高くなりますし、たとえば10年
    おきに築15年のマンションに買い替えれば築25年以下のマンションを持ち続けることが出来ます。

    “ワンルームマンション投資よくある失敗事例”

    CASE1: 節税効果は最初だけ・・・

    節税になるって聞いていたのに!

    ワンルームマンションに投資するということは、個人であっても一つの事業ですので、マンションを貸すことで得られた収入は
    課税対象となります。当然、その収入は利益として申告する必要がありますが、家賃収入をそのまま計上するのではなく、建物
    の減価償却分や借入金利を経費として引くことができるので結果として税金対策になるという説明が多いようです。

    しかし、本当に節税の恩恵を受けることができるのは、新築ワンルームマンションであっても設備を短期で経費にできる最初の
    数年だけで、節税のはずが管理費・修繕積立金や不動産の固定資産税と都市計画税など実際にかかる経費の負担のほうが大きく
    なってきます。長期にわたる節税効果をメリットとして説明された場合は要注意です。

    CASE2: 売るに売れない・・・

    デベロッパーが手がけるマンション投資プランは、ほとんどが新築ワンルームマンションです。衛星都市の開発が進み、都心の
    一極集中が緩和しつつある現在でも、独身男女の地方からの流入が定期的に見込めるワンルームマンションの需要がなくなること
    はないでしょう。また、マンションの耐震偽装が社会問題化し、法規制が整備されて以降に建造された物件は安心感もあり、まさ
    に新築ワンルームマンションに投資するのは理に適った選択だと思われる方が多いと思います。

    しかし、新築ワンルームマンションは、もし売却しなければならなくなった場合、その価値はどんなに築浅の物件であっても、
    分譲時の70%程度にしかならないケースが多いのです。経済的なゆとりがなく、長期的な運用が可能であると判断できない場合は
    オススメできません。

    CASE3: 入居者が決まらず利回り低下・・・

    札幌や福岡など、地方の中央都市では、賃料の相場からするとマンションの価格が安く、収益還元法で算出された利回りが高い
    ケースがあります。利回りは想定した賃料で入居者が獲得できたときに確定するものなので、地方都市でマンション投資をする
    場合は、家賃相場や立地条件などから、マンションの需要と供給のバランスが取れているかどうか調査する必要があります。

    たとえ、家賃滞納保証やサブリースなどの契約を地元の業者としていたとしても、契約は賃借人ごとまたは定期的に更新される
    ため、契約内容の変更や契約解除がないとも限りません。もし、賃貸管理行を業者に任せていなければ、現地まで足を運び入居
    者募集やトラブル対応をすべてご自身で行わなければなりません。

    結論:フルローンでのワンルームマンション購入は危険

    結局、Aさんは、物件を売却することを決心しました。

    スカイコート蒲田第7 〇07号室
    購入金額:21,100,000円 最終売却金額 16,000,000円

    サンスタレ西浅草 〇03号室
    購入金額:25,800,000円 最終売却金額 18,700,000円

    皆さん、ワンルームマンションをフルローンやそれに近い状態(多少の頭金)で購入することは大変危険なのです。

    既に、そのような危険な状態にある人、速やかにご相談下さい。

    それでは、投資用ワンルームマンションはどのような方が購入すればいいのか!?

    それは、次回にお話しさせていただきます。

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