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2017.08.21
大輪の花を咲かせる!!
8月上旬、台風5 号が近づく中、姪の結婚式のため九州に帰って来ました。
その後、父母のお墓参りをすませ、車に乗り込み次の目的地へ向かおうと車を走らせてい
たときに、懐かしいアパートに目が留まりました。そのアパートは、私が中学2 年生(14 歳)の時に、通う中学校の美術の先生が、新築当
初住んでいたアパートでした。私の家が近くだったこともあり、友達と一緒に先生のお部
屋でレコード(笑)を聞いた懐かしいアパートです。そのアパートも既に38 歳!! 鉄骨2階建て、、、どんなアパートを想像されますか。
田舎の築38 の鉄骨2階建てと言えば、そこそこに草臥れ、鉄部は錆て、建物周りは草ボ
ウボウ、空室が目立ち将来に不安を感じる物件を想像しますよね。ところがこのアパート!!、ピッカピッカで満室状態なのです。
築38 年とは思えないほど綺麗で、外壁・共用部・鉄部、全てにおいて、「パーフェクト
!!」。適切な時期に、適切な施しが行われ、オーナー様の愛情が精一杯注がれた物件
なのです。新築当初のままとは言いませんが、とにかく綺麗で清潔に保たれています。
建物に対する愛情は、建物を良い状態に保つモチベーションとなります。きちんと管理
しようと思わないのは自分の建物に愛情が無いからかもしれません。愛情を注ぐことなく、「もったいない」と建物に必要なお金をかけないオーナー様は、
空室・賃料下落とマイナスのスパイラルに陥り、取り返しが難しい状況になります。貸室内のリフォームも大切ですが、建物外観や共用部のリフォーム・修繕等の施しも
とても大切なのです。ある事例を紹介しましょう。家賃5 万円で、20 世帯が入るアパートがありました。この
物件のオーナー様は、ご自身の所有するアパートをとても大事に管理されていらっしゃい
ました。このアパートは、築20年が経過していましたが、まだまだ綺麗な状態です。
入居者も絶えず、満室賃貸が続いていました。ところがこのオーナ様は、築20 年の時点
で約1,000万円をかけて、大規模リフォームを行ったのです。まわりの人は「そんなにお金をかけて、もったいない」と思われたかもしれません。
現状、なにもしなくても満室ですし、それだけのお金をかけたとしても今賃貸中の入居
者が、これまで以上の家賃を払ってくれることはありません。しかし、この大規模なリフォームは賃貸経営上、実は絶大な効果を発揮しています。
入居者から見れば、うれしくなるようなリフォームをオーナー様が行ってくれてとても
得をしている気分になります。もちろん、現在の家賃や管理費についても十分に満足し
ていただいております。リフォームにより物件の魅力が一段と増し、退去の抑止効果、退去があったとしても直
ぐに次の入居者が現れます。さらに大きな効果は、この大規模リフォームによって賃貸物件としてのこの建物の寿命
が格段に延びたことです。築20 年のアパートでしたが、1,000万円かけた大規模
なリフォームによって、今後、更に20 年は賃料を生み続けるアパートに生まれ変わっ
たのです。もしこのアパートに、何か問題が発生するまで何もしないで、事故等が発生した都度、
最低限の手を入れる程度のことしか行ってくれないオーナー様だったら、築30 年程で
劣化し、取り壊す事にもなりかねなかったでしょう。ところが、お金をかけて大規模なリフォームをしたことで、築20 年から更に20 年、
確実に賃料を生んでくれる物件になったことを考えると、その差10 年にどのような差
が生まれるのでしょうか。現在このアパートから得られる月額賃料は100 万円、1年で1,200万円。10年
では1 億2,000万円です。つまり、このオーナー様は、1,000万円を投じることで、大規模なリフォームを
しなかった場合と比べて1 億2,000万円の収入を得ることになります。それも結局は、オーナー様の建物への愛情が生んだ大輪の花なのです。
賃貸住宅経営にはオーナー様の性格が強く反映されます。自身では気付かない内に損を
してしまっているケースもあります。大規模修繕・リフォームはその施工業者によっても大きな差がございます。いつも依
頼されている施工業者だけでなく、複数の施工業者に見積依頼され、そのデザインと
技術レベル・見積価格をしっかりと比較されますことをおすすめいたします。株式会社不動トレード/有田 賢也